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柴田 俊夫*; 瀬尾 眞浩*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 井上 博之*
JNC TJ8400 2000-013, 38 Pages, 2000/02
これまでに核燃料サイクル開発機構(旧動燃事業団)が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価をおこなったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。
竹内 正行; 川野邉 一則*; 永井 崇之; 大橋 和夫; 武田 誠一郎
PNC TN8410 97-104, 56 Pages, 1997/04
(目的)再処理溶液中に腐食生成物として存在するクロム(以下,「Cr」という)を対象に,ステンレス鋼の腐食に与える影響および粒界選択型の腐食加速機構について調査し,特に影響の大きいCr(6)の酸化生成条件等を中心に検討する。(方法)ステンレス鋼の腐食に与えるCrの影響を評価する手法として,材料浸漬試験および電気化学試験を行った。また,粒界腐食の要因とされる微量元素の粒界偏析に関しては,オージェ電子分光法により粒表面および粒界の組成を比較することで評価した。さらに,Crの酸化反応条件について検討するため,硝酸濃度,溶液温度をパラメータとしたCr(3)共存溶液の加熱試験を実施するとともに,溶液のPt電位測定および試験後におけるCr(6)の定量分析等を行った。(結果)本試験の結果から,得られた主な知見を以下に示す。(1)浸漬試験および電気化学試験結果から,同じ元素種でも,Cr(3)に比較して,Cr(6)の共存環境ではステンレス鋼の腐食電位が高電位側に移行し,粒界腐食を伴う腐食速度の著しい増加が認められた。(2)粒界腐食機構の要因とされる微量元素の粒界偏析については,オージェ電子分光法による測定では観察できなかった。(3)180時間程度の加熱試験結果から,沸点の条件では,酸化生成したCr(6)が硝酸濃度4M以上で定量的に検出された。(4)非破壊吸光光度法によるCrを指標としたステンレス鋼の腐食モニタリングで得られた腐食速度は腐食減少量からの算出値より低い値が得られた。(結論)ステンレス鋼の腐食に対するCrの影響はCr(3)に比べて、Cr(6)の共存環境で顕著である。この要因は硝酸よりもポテンシャルの高いCr(6)の酸化作用にあり,Cr(6)は高温,高濃度硝酸環境で酸化生成する可能性が示唆された。